健康寿命とは、健康に自立して生活できる期間のことです。
健康寿命を過ぎてから亡くなるまでの期間は寝たきりなどの状態になることが考えられます。
健康寿命を阻害する要因は様々なものが考えられますが、大きな要因になるのはやはり身体の痛みや不自由さだと思います。
それが徐々に強くなることで寝たきりに近い状態になってしまう方が多い印象です。
健康寿命を考えるといってもどうすれば健康寿命を延ばすことができるのでしょうか?
健康寿命に影響を与えるものはなんでしょうか?
私は、大きく分けて以下の3つを考える必要があると考えています。
・整形外科的な問題
・心血管、内臓面での問題
・脳、認知面での問題
・整形外科的な問題
整形外科的な問題とは、骨・筋肉・神経など運動を司る器官の問題のことです。
要は痛みなく動けるか、歩くことはできるかといった部分の問題です。
動けなければ寝たきりになるのは当たり前ですし、動くのに痛みを伴う様では、徐々に身体機能が落ちていくのは避けられません。
そもそも動くのに痛みがある状態を健康と呼べるのかも疑問です。
・心血管、内臓面の問題
心血管、内臓面の問題とは、読んで字のごとく心臓や血管、その他の内臓の問題のことです。これらの器官に問題が起これば一気に生活のレベルが下がることが考えられます。血管の問題として動脈硬化が生じれば血圧が高くなったり血栓ができやすくなります。そういった血管の影響から脳出血や心筋梗塞に至る可能性があります。そうなると半身麻痺になったり、息切れがひどくて動けなくなったり、最悪の場合死に至る場合もあります。
・脳、認知面での問題
脳、認知面の問題とは、これもそのままの意味で脳の機能の問題、いわゆる認知症が問題になります。認知症にもさまざまな種類がありますが、誰しも歳を経ていくことで認知機能は低下していきます。認知機能が低下し、今までできていたこと(食事やトイレなど)ができなくなった状態は、健康とは言えないでしょう。
こういった大きく分けて3つの問題に対してアプローチしていくことが、健康寿命を延ばすことにつながります。
私は、その中でも特に整形外科的な問題が重要になってくると考えています。
整形外科的な問題とは先にも説明したように、骨・筋肉・神経などの運動を司る器官の問題のことです。
これが、
・心血管、内臓面での問題
・脳、認知面での問題
よりも健康寿命に大きな影響を与えるのはなぜか?
これから説明していきます。
整形外科的な問題として、最も多いのは、腰痛や膝痛です。
私が勤めていたクリニックでも、患者さんの70~80%は腰や膝に痛みを抱えていました。
基本的に加齢していく中でこれらの症状は徐々に進行し、きっかけもなく痛みとして出現します。
痛みが出ることで活動範囲が狭まってしまうと生活の質(いわゆるQOL)が大幅に低下してしまいます。
心血管、内臓面での問題は食事、全身運動に大きく影響を受けますが、痛みなく動くことができないと、運動自体ができなくなってくるため、悪化することが考えられます。
また脳、認知面での問題は生活する中で、適度な緊張やストレスなどの刺激を受けることで活性化されます。そのため、身体に痛みが出て外出する機会が減るとその分刺激を受ける機会も減るため、これも悪化する方向へ傾いてしまうでしょう。
これらのことを考えると、健康寿命は整形外科的な問題が基盤となっていることが分かります。
その基盤となる整形外科的な問題が悪化してしまうと、他の2つの要素に対しても悪影響を与え、共倒れしてしまいます。
そのため、歳をとっていく中で、整形外科的な問題を悪化させないことがとても重要になります。
しかし、現代社会では内臓面、心血管面でのケアは、病院において手術などの技術が進歩していて手厚く受けられる印象がありますが、整形外科的な問題は骨折など目に見える問題については対処されますが、徐々に進行する腰や膝の痛みや障害に対する手立てがはっきり確立していないのが現状です。
これは、健康寿命を延ばすことを考えたときの大きな課題です。
整形外科的な問題を解決するためには、かかりつけ医師がいるようにかかりつけトレーナーが必要なのではないかと考えています。
身体に対してしっかりとした知識をもったトレーナーが、姿勢や動作に対してアドバイス・指導を行い整形外科的な問題をクリアすることで、この国の健康寿命は大幅に伸びるはずです。
海外を見ると、アメリカやドイツなどでは、こういった点で日本よりもかなり進歩している印象があります。
日本にもこういった考え方を少しでも、せめて自分が関わった人には浸透させていきたいと考えています。
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