今日は『痺れ』について話していきたいと思います。
正座を長時間していて足が痺れた経験は誰もがあるのではないでしょうか?
あれは正座を長時間行うことで、膝裏を通って脛の辺りの感覚や運動を支配している腓骨神経という神経が圧迫されてしまうことで生じるものです。
このように、腕や脚など身体に出る痺れの原因は全て神経によるものです。
しかし、痺れを引き起こす神経への負荷のかかり方はそれぞれです。
正座の痺れのように神経が直接圧迫されることで痺れが出ることは多いです。
それ以外にも糖尿病患者さんの足先の痺れのように、神経を栄養している血管に血流が行かなくなることで痺れが出る場合もあります。
また脚気のように神経の栄養であるビタミンB1が不足することで痺れが出ることもあります。
このように神経にどのような負荷がかかるかについては様々な要素が考えられます。
しかし、くどいようですが最終的に痺れを引き起こす原因になるのは必ず神経です。
では神経はヒトの身体のどこにどのように存在しているのでしょうか?
そもそも神経とはどんなもののことを指すのでしょうか?
“神経とは”
生体において感覚や運動などの情報伝達を担う組織
<引用>プロメテウス解剖学アトラスより
脳、脊髄が全身に派生する神経の大元(中枢神経と呼ばれています)となっていて、脊髄から出た後は手の先・足の先まで細かい神経(末梢神経)が行き渡っています。
<引用>プロメテウス解剖学アトラスより
上の図のように神経は大まかに分けると、脳、脊髄、末梢神経といった組織に分けられます。
そして、その各々が連携して運動感覚や触覚、温度の感覚などの情報を伝達しています。
そのため、脳梗塞を起こすと半身麻痺になったり、脊髄損傷を起こすと下半身麻痺といったように、大元になる脳や脊髄が損傷すると麻痺を起こす範囲が大きくなります。
では、脊髄から出た後の末梢神経が損傷するとどこに痺れや麻痺の症状が出るのかというと、それはそれぞれの末梢神経が支配する領域に出るのですが、その前に末梢神経をより細かく分けた時の2つの組織について説明させてください。
末梢神経は大きく分けて以下の2つの組織に分けられます。
“神経根”
脊髄から出てすぐの末梢神経。
神経根は全部で24個積み重なってできている背骨のブロックそれぞれの間から左右両側に1対出てきます。
感覚を支配する領域は以下のようになっています。
<引用>プロメテウス解剖学アトラスより
“神経根より先の末梢神経”
神経根からさらに枝分かれした末梢神経。
感覚を支配する領域は以下のようになっています。
<引用>プロメテウス解剖学アトラスより
神経根の方が大元に近いため、支配する範囲は広いです。
正座で脛辺りに痺れが出るのは、神経根より先の末梢神経(腓骨神経)が圧迫されているからですね。
また梨状筋というお尻の筋肉の下で坐骨神経が圧迫されて、脚の特に裏側が痺れる坐骨神経痛も末梢神経の症状として有名です。
では、神経根はどのように圧迫されるのでしょう?
神経根は背骨の各ブロックの間から出てきます。
そのため、神経根が通る各ブロックの間の通り道が狭くなると、神経根が圧迫され、上の図の領域に痺れや感覚の麻痺が生じます。
実は、治療を行う中で腕や脚に痺れがある方の原因のほとんどにこの神経根の圧迫による症状が絡んでいます。
加齢に伴い、背骨の各ブロックの間が狭くなるのはある程度仕方がないことです。
しかし、だからと言って今ある痺れの症状が取れないわけではありません。
痺れがどこから出ているのか、原因を特定できれば、症状を改善する手立てはあります。
神経根が原因の痺れであれば、その通り道を構成する背骨のブロック間の関節の可動性を高め、通り道を広げるような治療をすれば症状は改善できます。
全ての症状を必ず治せるとは言い切れませんが、改善させるための手立ては必ずあります。
もし仮に今この記事を読んでいる方で痺れの症状が治らずお困りの方がいらっしゃれば、迷わずメールをください。
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